スズメノヤリ

植物にもそれぞれ戦略があります。

戦略は「戦うための作戦」というより、生きるため、それに子孫を残して繁栄するために身に着けた知恵というようなものなので、そこんところをよーく観察すると人の暮らしにも応用できる!かも?です。

ズズメノヤリは上述のようにアリが種を運ぶので、日本全国、世界各国どこにでもいるアリに種を運んでもらい子孫を広範囲にばら撒ける、というのがまさに彼らの戦略です。

そのためスズメノヤリは種のところにアリたちが大好きな食べ物になる種枕(しゅちん)と呼ばれるものが付録として付いていて、アリはこれを目当てにせっせとスズメノヤリの種を巣に運び、その種枕を食べ、要らない種の部分は巣の外へポイする。それでそこから発芽することができるわけです。

フルーツも果肉が付いていて、鳥や動物が食べて、要らない種をポイしたりウンチと一緒に出され、そこから発芽するのと似ていて、ただ「食べてくれー」って期待する相手が鳥じゃなくてアリに目をつけたところがスズメノヤリのやり方なのです。

もうひとつの戦略は、スズメノヤリは背が低くて、大事な茎もとても短く、葉っぱは直接根から出ているようにも見える根出葉(こんしゅつよう)という特徴を持っています。これにより踏まれてもヒツジやウマやウシに食べられても枯れ難く、周囲の草木がみんな踏みつぶされたり食べつくされた後に、いち早く芽を出してまた生き続けられ易くなる、というわけですね。

さあ、これらスズメノヤリの戦略をどういうふうに人の生き方に応用できるか、考えてみましょう!

京都市桂坂 植物図鑑

京都市西京区桂坂で見つけた植物を紹介します。

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